当館には、日本に3台しかない貴重なピアノ(<97鍵盤>ベーゼンドルファーインペリアル)があります。このピアノは、令和元年東日本台風の被害により現在は休館している川崎市民ミュージアムが開館した時(約30年前)に、川崎市が購入したものです。2017年に、小黒恵子童謡記念館がリニューアルオープンした時に、当館に移ってきました。
当館のピアノ(ピアノ利用)についての考え方は、下記の通りです。
「川崎市の<まちのひろば>としての役割を持つ小黒恵子童謡記念館にあるこのピアノは、非常に貴重なピアノではあるが、プロの方だけではなく、小さなお子様からあまりピアノを弾いたことが無い方、ピアノを初めて弾く方等、幅広くどなたでも弾く事ができる」というポリシーで運用しています。
本来なら、使用しない時は、温湿度を厳密に管理できるピアノ庫に保管するのがベストです。しかし、できる限り良いコンディションで保てる様に温湿度に気を配ってはいますが、記念館の開館、貸館対応という運営構造上、常時、ベストな状態で管理する事は不可能です。調律師と確認しながら、年に3~4回(6月、9月、11月、3月を目途)に調律を行い、必要に応じて、軽微なメンテナンスを行っています。それでも、ピアノは木でできているため、日々、コンディションが変化します。
貸しホールでご利用される団体様には、必ずしも最高のコンディションで、貸し出す事が難しいのが現状です。当館としても、大変心苦しいのですが、もし、コンサートや録音等で、ピアノの繊細な音色を求められる方は、ご利用団体様にて調律を入れていただくのがよろしいかと思います。その際、調律のための会場予約(会場費)、調律代は、ご利用団体様のご負担になりますことをご了承ください。また、ピッチを大幅に変更される場合は、必ず現状復帰をお願いいたします。当館では、その時々のピアノのコンディションにより、440hz~443hzに調律しています。
多くの皆さまに、末永く気持ち良く使っていただくために、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。