15.美しい町
<平成3年10月10日>
九月の第四日曜日の朝、「第一町会の皆さん、家の周りと道路の清掃をしましょう」と突然メガホンの大きな声がした。
はじめてのことなので、喜びの心電図がいっきに跳ね上がった。本来なら道路の清掃は、住民が自発的にするのが当然のことなのだが。
周辺が汚れていると環境をこわすものだ。住民の一人一人が心がけて、常に清掃していれば美しい町づくりができ、しぜんに子供達に受けつがれていくものだ。
かつて竹は、どこの家にも二本や三本はあったものだ。
ところが今、竹のある家は少いと言う。
竹がゴルフのクラブや、ラケットに変ったと言うのである。
毎朝食前に竹で清掃すれば、適度な運動ができ食事も美味しくなるし、健康法の一つとして、こんなにすてきなことはないと思う。まさに一石二鳥である。
過日、美しい町並を常に願って止まない私の、前隣の塀に大きな看板がかけられた。
それはなんと真赤な地色に、白抜き文字の店名と、車の担保でお金を貸しますと、真新しいトタン製のピカピカ看板であった。
三日間がまんを重ねた末に、結局外して戴いた。
横浜市では十月一日から全国に先がけて、一般市民の通報による「放置自転車及び沈廃船の一一〇番」がスタートした。
このように行政と住民が一体となって、美しい環境づくりの輪を拡げたいものだ。
美しい町を誰もが願っている筈である。