4.78回転の童謡レコード盤

<平成4年11月1日>

 最近ある週刊誌の掲示板に、78回転の童謡レコードを探していますと言う記事をのせた。
 ところが週刊誌が発売された翌日から電話を戴き、一ヶ月近く経った今でも、連絡して下さる方が後をたたない。
 手元に届けられたレコード盤は、既に三百枚に達しようとしている。
 大正末期から昭和初期のもの終戦後のもの等、私の知っている童謡、知らない童謡等、貴重な盤を戴いた。
 なかでも静岡県の焼津の方と茨城県の方が、78回転の重い盤を私の童謡記念館まで遠路、ご夫妻で届けて下さった時の、感謝と感動を忘れる事はできない。
 当館では約百年前のアメリカビクターの、木製のラッパ付の手巻蓄音器がある。
 レコード盤を送って下さった方に、そのうたを電話でお聞かせしている。
 一つのうたには、まして童謡には幼い日の、なつかしい思い出が沢山ある。
 その大切なレコード盤を惜し気もなく、贈って下さった方々の暖かいお心に、胸が熱くなる嬉しさ有難さをかみしめている。
 政治不信、或は凶悪な犯罪や、人の心のやさしさが遠のいて了った現今、こんなにも美しく暖かい心を持った人達が、この日本の空の下には、まだまだいるのだと言う安堵感と共に嬉しさを実感している。
 その方々に報いるためにも、この貴重な78回転盤を大切に保護保存し、一人でも多くの方々に、聞いて戴きたいと思う。