2-12 カマキリの さんぽ ~ハタラキアリの うた
ぼくはカマキリ 草(くさ)のいろ
かおは三角 ひげ二本
目玉はかわいい ビー玉だ
足はながくて かっこいい
うっとりみとれる 水たまり
じまんのカマふり 一二三
首をぐるりと ひとまわし
カマキリ体操 いいきもち
葉っぱのつゆの 水玉のんで
さて さんぽに でかけよう
マンジュシャゲが まっかっか
空にはお日さま まっかっか
どこをむいても 目がまわる
目玉が火事に ならないように
サングラスかけて おさんぽだ
だれか友達 いないかな
あ バッタが二匹 あそんでる
コンニチハって 言ったのに
しらんかおして とんでった
どうしてあそんで くれないの
カマをちょっぴり うごかすと
みんなあわてて にげていく
そうだいいこと かんがえた
葉っぱのほうたい まいとこう
いじわるなんか もうしない
パチンとはねた ホウセンカ
たねのピストル ああ おどろいた
ひとりぼっちは さみしいな
生まれたきょうだい 一〇五ひき
みんなげんきで いるだろか
かわいたあぶくの ハウスから
ぞろぞろ生まれた 草のかげ
羽もなければ ハダカンボ
針のように ほそかった
花びらよりも かるかった
あれから八回 九回も
ちいさい服を ぬぎすてて
いまじゃみごとな カマと服
羽をひろげりゃ グライダー
プロレスだって まけないぞ
野菊の花が いいにおい
アブがみつを すっている
カマをふりあげ さあ つかまえた
あ いつもの悪い くせがでた
トンボがあわててて 逃げてった
あっ たいへん!! それにげろ
ブラックキャットに みつかった
草の中に とびこもう
とらえられたら おしまいだ
じゃれてさかれて 食べられる
草の葉っぱに しがみつき
忍者(にんじゃ)のように 草になる
ブラックキャットは すぐそばで
草をザワザワ かきわけて
にがすものかと さがしてる
ああ こわかった たすかった
胸がドキドキ なっている
なみだがひとつぶ おちてきた
草のにおいは やさしいな
草はぼくの おかあさん
【メモ】