19/10/2020 / 最終更新日時 : 23/11/2022 oguro_admin エッセイ 10.秋の勲章 ~10月21日父の誕生日に~ <平成2年10月21日> いまでも二ケ領用水は、川崎市のほぼ全域を流れている。 稲作が盛であった頃、二ケ領用水の水を引いて、至るところにきれいな小川が流れていた。 稲の穂が黄金色の頭を下げる頃、川辺の雑草もそれぞれに小 […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 19/10/2020 oguro_admin エッセイ 11.初春と始皇帝 <平成3年1月3日> 初春の日本列島は、車の大移動大洪水で渋滞が甚だしい。 それは数年前のことだった。産土神に初詣をすませてから、犬二匹と九官鳥の家族同伴を同伴して、熱海の家に向かった時のことだった。 平常は二時間余も […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 19/10/2020 oguro_admin エッセイ 12.山椿 <平成3年3月21日> 寒期から春にかけて花の乏しい季節に、わが家の庭に灯りを点してくれる山椿。 春雪をかぶって凜と咲く風情は、特にすばらしい。 山椿は私の好きな花の一つである。 思いがけないところでハッとする美しい山 […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 19/10/2020 oguro_admin エッセイ 13.苺の思い出 <平成3年5月23日> 五月の風が、まぶしい新緑をそよがせる頃、苺がもっとも美味となる。 なんと言っても昔ながらの露地栽培は、季節の自然の味を、たっぷりと与えてくれる。 私が少女の頃、家で苺の露地栽培をしていた。早朝の […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 23/11/2022 oguro_admin エッセイ 14.花のいのち <平成3年8月8日> 花火の季節がやってくると、詩人の高田敏子さんを思い出す。高田さんは平成元年五月に七十三才で亡くなられた。春風のようにやさしい声と、表情が豊かな美しい方だった。 あるパーティーで久しぶりに、高田敏子 […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 23/11/2022 oguro_admin エッセイ 15.美しい町 <平成3年10月10日> 九月の第四日曜日の朝、「第一町会の皆さん、家の周りと道路の清掃をしましょう」と突然メガホンの大きな声がした。 はじめてのことなので、喜びの心電図がいっきに跳ね上がった。本来なら道路の清掃は、住 […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 19/10/2020 oguro_admin エッセイ 16.師走随想 <平成3年12月12日> 過日朝日新聞社主催の「花 京 大和」をテーマにした「岡(オカ) 信孝(ノブタカ)展」を、師走の銀座に見に行った。 四季の推移を、繊細なタッチで描いた世界に、私はすっかり魅了された。 かすかな風 […]
19/10/2020 / 最終更新日時 : 19/10/2020 oguro_admin エッセイ 17.ガラスの列車 <平成4年2月20日> お正月と思うまもなく、節分が過ぎて、梅の花が移ろい、桜が咲いて、時間という見えないガラスの列車は、容赦なく走っている。町を過ぎ野を過ぎ、山を越え海を渡って、幾つも幾つもの、人生の駅を通り過ぎなが […]