跋 ハダシとハダカ *このレコードをきいて
谷内六郎
幼児がごく普通に使う言葉、幼児が日常の中にもつドラマ、小さなドラマ--
しかし、幼児にとっては大きなドラマ、そうした言葉や物語のもつリズム感。
幼児特有の空想性、飛躍性の心の中に入りこみ、幼児の心象の世界を、小黒恵子さんがこのレコードで見事に描きました。
こども達のヒソヒソと言う話し声が隣の部屋からひびいてくるような楽しさ、それは大人のひとにも「創造」「飛躍」の面で大いにプラスになる栄養剤です。
子供が魅力を持つ材料を豊富に出し、それ等のものがキラキラと宝石のように、レコードいっぱいにちりばめられています。
作曲、構成もそれぞれ工夫があり、各主人公が生き生きと動き幼児の心をとらえております。
「大人が考えて幼児向きにしたものでなく」幼児の心象から出発した、まったく新しい分野の創造と言えるでしょう。