26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-5 フォロロマーノ ~白い馬車に乗って 真夏の太陽が 照りつける古代ローマの 夢のあとフォロロマーノ その巨大さ 偉大さに言葉はなく 唯 ながめるだけ キケロが演説した 演壇 シーザーが「ブルータス 汝もか!!」と絶叫して 暗殺され火葬された 祭壇将軍たちが […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-6 おおピエタ ~白い馬車に乗って 太陽が まぶしすぎるバラの花が 美しすぎる花の香りが きつすぎる わたしはもうすぐ 燃えつきる一本の ローソク 時間が--時間が ないのです今では 遅すぎるのです 諦めの十字架を きりましょうおお ピエタこれ以上の 悲し […]
24/04/2020 / 最終更新日時 : 22/05/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-1 セイタカアワダチ草 ~かもめ 女郎花に似た きいろい花はセイタカアワダチ草 西ドイツの ホテルのフロントの カウンターに何気なく グラスに括けられて 日本では異常繁殖して公害植物--と言われ一部の地方では刈り取られているけど黄色い穂波の美しい 帰化植 […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 22/06/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-2 瞳 ~かもめ パチッ と視線が ぶつかり合った瞬間 わたしは 立ち止まった 無言で見つめる牛の 大きな眼 淋しさと 悲しさをいっぱい たたえて その瞳の中に通いあうもの を感じた 額と額を すりよせて泣き叫びたいそんな 衝動 やがて […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 07/07/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-3 魔女と箒 ~かもめ --ドイツ女は 掃除がお好き--掃除と言うと 箒箒と言うと 魔女 魔女の 好きな箒は秋の野にそよぐ 銀いろの波すすきの穂 この季節になると月の美しい 晩魔女は 絹のガラスの服を着てそろって 旅に出ます 雲のように 柔らか […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 01/07/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-4 バラとピアノ ~かもめ ロンドンの郊外も初夏は バラの匂い バラの生垣に 囲まれた白い窓から 聞こえるピアノ あれはバラいろの少女が ひくバラいろの ワルツ 垣根のそとで のぞくのは バラの匂いと ピアノに酔ったバラいろの 猫とバラいろの 瞳を […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 07/06/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-5 紫陽花とカタツムリ ~かもめ 紫陽花(あじさい)と カタツムリが雨のなかでキスをしています うぶな紫陽花は頬を 紅いろに染めて お互いに趣味が あうのでしょうか-雨が好き- 太陽の微笑 よりも太陽の泪 が好きなのです 【朗読】 紫陽花とカタツム […]
24/04/2020 / 最終更新日時 : 29/05/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-6 モンキーパズル ~かもめ 杉の葉っぱを思いきり 大きく太くしたようなタヌキの シッポのようなキツネの シッポのような しかも ネーブルくらいの緑の玉を ぶらさげてなんと珍奇なモンキーパズル monky puzle スイスの ファイドウ町のレストラ […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 15/06/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-7 かもめ ~かもめ 遊覧船が 岸を離れたとき湖の 青い風の中からいっせいに 湧きあがった数えきれない かもめの群 船のしぶきに 濡れながら白い翼が 乱れとぶキュウイ キュウイ キュッ キュッキュッ キュッ キュウイ キュウイ けたたましい […]
24/04/2020 / 最終更新日時 : 21/05/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-8 あの白い雲の果てに ~かもめ あの白い雲の果てに つづく永遠今天かける 一点の翼に生命(いのち)を ゆだねる永遠の中の 一瞬 旅にも 恋にも 人生にも終りがあるから美しいのでしょうか 【朗読】 あの白い雲の果てに 朗読:大森 寿枝 […]