25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-10 パリのめぐり逢い ~花衣 その時--あなたは紺の背広に つつまれてまずしい 美しさでした 瞳は 晴れた空のいろアルプスの 風の匂いを連れて シャンゼリゼの カフェテラスの真紅のテントを バックに紺青の 矢車草のようでした だから一層 驚いてしまっ […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-11 薔薇の館 ~花衣 もしも わたしが館を たてるなら--ローヌ川をのぞむ アルルの丘に薔薇の館を たてるでしょう 薔薇の垣根と 薔薇のアーチ庭園は薔薇で埋めつくし薔薇の 香りにつつまれて あなたと 暮らすのです芝生で語らう 紅茶のなかに薔薇 […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-12 孤独 ~花衣 枯葉が舞うパリの 路地裏 今日のわたしには なぜか華やかな シャンゼリゼ通りは似合わない 真珠いろの 空のせいなのか久しぶりに見た不吉な 夢のせいなのか わたしはコートの 衿を立てて知らないパリの路地裏を あるく かすか […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-13 幻の笛 ~花衣 窓をうつ 吹雪パリの町は銀いろに 彩られて 耳をすますとかすかに 聞こえてくるほそく淋しい 笛の音 それは吹雪の日にだけ聞こえる と言う氷雪の アルプスから風がはこぶ 笛の音 マリーアントワネットのこよなく 愛した銀いろ […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 15/10/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-14 レ・ミゼラブル ~花衣 マロニエの 花が咲き マロニエの 緑がそよぎ マロニエの 黄葉が美しく マロニエの まるい実が寒風に ゆれて なんと遠い時のながれ わたしは時間のシッポに つかまってまた一つ年を とります 【朗読】 レ・ミゼラブル […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 15/10/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-15 輪舞 ~花衣 陽が昇り 幕があく美しきパリの 舞踏会 ある人は 役者きどりである人は 学者きどりである人は 才女きどりである人は 魔女きどりである人は 恋に笑ってある人は 恋に泣いて セーヌの流れと 人の身は止めて止まれぬ lair […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-1 シェナの老犬 ~白い馬車に乗って 人影もなくひっそりと 静まる石の町並の 谷をあるく 中世の町に 迷いこんだような個性的 幻想的な美しい町 シェナ カッキリと 青い空市庁舎前の 貝殻広場ドォウモの 大理石の白と深みどりの 縞模様の直線の 美しさシェナ派の […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-2 白い馬車に乗って ~白い馬車に乗って 白い馬車に乗って石の町坂の町夾竹桃の 花の町ローマの緑の並木路を 走る わたしは白い絹の ドレスにツバの広い 帽子をかぶりレースのショールを かけて女王のごとく白い馬車で いそぐ 馬蹄のひびきを快よく感じながら 古代ロー […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-3 終着駅 ~白い馬車に乗って 人は時間と言う 見えないガラスの列車に乗って 町を過ぎ野を過ぎ山を越え谷を渡って いくつも 幾つもの人生の駅を 通り過ぎ走っています それぞれの終着駅に 向かって -ローマ・テルミニ駅(終着駅)にて-- 【メモ】
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-4 花のフィレンツェ ~白い馬車に乗って 真夏の太陽が射るように 照りつける花の都 フィレンツェ ここミケランジェロ広場から 眺める八月の フィレンツェは明かるい レンガいろの町 カッキリと 青い空の下のあのまるい ドームがサンタ・マリア・デルフィオーレ(花の聖 […]