25/04/2020 / 最終更新日時 : 17/08/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-7 ラ・セーヌ ~花衣 川面をみつめる 旅人犬を散歩させる人読書にふける人編物をする人抱擁している 幾組もの恋人達日光浴をする人釣りをたのしむ人キャンバスを立てる人 背中をまるめて 新聞を読む人居眠りをする人足を投げ出して葡萄酒を ラッパ飲みし […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 03/05/2021 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-8 テルトル広場風景 ~花衣 「パリの絵は いかが?」観光客を よびとめる商売気たっぷりの 絵かきたち キャンバスを 並べて腕を競う 絵かきたち似顔絵をかいている 絵かきオレンジを まるかじりしてる絵かき キャンバスの脇の 椅子に腰かけて雑種の愛犬を […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 15/10/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-9 モナリザの謎 ~花衣 夜霧の煙る シャンゼリゼ通りで人にすれ違った 瞬間買ったばかりの スミレのブーケを落して 踏んでしまいました すれ違った その女性こそまぎれもなくあの モナリザだったから です 淋しげな あの美しい微笑淡いスミレ色の シ […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-10 パリのめぐり逢い ~花衣 その時--あなたは紺の背広に つつまれてまずしい 美しさでした 瞳は 晴れた空のいろアルプスの 風の匂いを連れて シャンゼリゼの カフェテラスの真紅のテントを バックに紺青の 矢車草のようでした だから一層 驚いてしまっ […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-11 薔薇の館 ~花衣 もしも わたしが館を たてるなら--ローヌ川をのぞむ アルルの丘に薔薇の館を たてるでしょう 薔薇の垣根と 薔薇のアーチ庭園は薔薇で埋めつくし薔薇の 香りにつつまれて あなたと 暮らすのです芝生で語らう 紅茶のなかに薔薇 […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-12 孤独 ~花衣 枯葉が舞うパリの 路地裏 今日のわたしには なぜか華やかな シャンゼリゼ通りは似合わない 真珠いろの 空のせいなのか久しぶりに見た不吉な 夢のせいなのか わたしはコートの 衿を立てて知らないパリの路地裏を あるく かすか […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-13 幻の笛 ~花衣 窓をうつ 吹雪パリの町は銀いろに 彩られて 耳をすますとかすかに 聞こえてくるほそく淋しい 笛の音 それは吹雪の日にだけ聞こえる と言う氷雪の アルプスから風がはこぶ 笛の音 マリーアントワネットのこよなく 愛した銀いろ […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 15/10/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-14 レ・ミゼラブル ~花衣 マロニエの 花が咲き マロニエの 緑がそよぎ マロニエの 黄葉が美しく マロニエの まるい実が寒風に ゆれて なんと遠い時のながれ わたしは時間のシッポに つかまってまた一つ年を とります 【朗読】 レ・ミゼラブル […]
25/04/2020 / 最終更新日時 : 15/10/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 1-15 輪舞 ~花衣 陽が昇り 幕があく美しきパリの 舞踏会 ある人は 役者きどりである人は 学者きどりである人は 才女きどりである人は 魔女きどりである人は 恋に笑ってある人は 恋に泣いて セーヌの流れと 人の身は止めて止まれぬ lair […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-1 シェナの老犬 ~白い馬車に乗って 人影もなくひっそりと 静まる石の町並の 谷をあるく 中世の町に 迷いこんだような個性的 幻想的な美しい町 シェナ カッキリと 青い空市庁舎前の 貝殻広場ドォウモの 大理石の白と深みどりの 縞模様の直線の 美しさシェナ派の […]