26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-2 白い馬車に乗って ~白い馬車に乗って 白い馬車に乗って石の町坂の町夾竹桃の 花の町ローマの緑の並木路を 走る わたしは白い絹の ドレスにツバの広い 帽子をかぶりレースのショールを かけて女王のごとく白い馬車で いそぐ 馬蹄のひびきを快よく感じながら 古代ロー […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-3 終着駅 ~白い馬車に乗って 人は時間と言う 見えないガラスの列車に乗って 町を過ぎ野を過ぎ山を越え谷を渡って いくつも 幾つもの人生の駅を 通り過ぎ走っています それぞれの終着駅に 向かって -ローマ・テルミニ駅(終着駅)にて-- 【メモ】
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-4 花のフィレンツェ ~白い馬車に乗って 真夏の太陽が射るように 照りつける花の都 フィレンツェ ここミケランジェロ広場から 眺める八月の フィレンツェは明かるい レンガいろの町 カッキリと 青い空の下のあのまるい ドームがサンタ・マリア・デルフィオーレ(花の聖 […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-5 フォロロマーノ ~白い馬車に乗って 真夏の太陽が 照りつける古代ローマの 夢のあとフォロロマーノ その巨大さ 偉大さに言葉はなく 唯 ながめるだけ キケロが演説した 演壇 シーザーが「ブルータス 汝もか!!」と絶叫して 暗殺され火葬された 祭壇将軍たちが […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 26/04/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 2-6 おおピエタ ~白い馬車に乗って 太陽が まぶしすぎるバラの花が 美しすぎる花の香りが きつすぎる わたしはもうすぐ 燃えつきる一本の ローソク 時間が--時間が ないのです今では 遅すぎるのです 諦めの十字架を きりましょうおお ピエタこれ以上の 悲し […]
24/04/2020 / 最終更新日時 : 22/05/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-1 セイタカアワダチ草 ~かもめ 女郎花に似た きいろい花はセイタカアワダチ草 西ドイツの ホテルのフロントの カウンターに何気なく グラスに括けられて 日本では異常繁殖して公害植物--と言われ一部の地方では刈り取られているけど黄色い穂波の美しい 帰化植 […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 22/06/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-2 瞳 ~かもめ パチッ と視線が ぶつかり合った瞬間 わたしは 立ち止まった 無言で見つめる牛の 大きな眼 淋しさと 悲しさをいっぱい たたえて その瞳の中に通いあうもの を感じた 額と額を すりよせて泣き叫びたいそんな 衝動 やがて […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 07/07/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-3 魔女と箒 ~かもめ --ドイツ女は 掃除がお好き--掃除と言うと 箒箒と言うと 魔女 魔女の 好きな箒は秋の野にそよぐ 銀いろの波すすきの穂 この季節になると月の美しい 晩魔女は 絹のガラスの服を着てそろって 旅に出ます 雲のように 柔らか […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 01/07/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-4 バラとピアノ ~かもめ ロンドンの郊外も初夏は バラの匂い バラの生垣に 囲まれた白い窓から 聞こえるピアノ あれはバラいろの少女が ひくバラいろの ワルツ 垣根のそとで のぞくのは バラの匂いと ピアノに酔ったバラいろの 猫とバラいろの 瞳を […]
26/04/2020 / 最終更新日時 : 07/06/2020 oguro_admin 詩集「ユトリロの絵のなかで」 3-5 紫陽花とカタツムリ ~かもめ 紫陽花(あじさい)と カタツムリが雨のなかでキスをしています うぶな紫陽花は頬を 紅いろに染めて お互いに趣味が あうのでしょうか-雨が好き- 太陽の微笑 よりも太陽の泪 が好きなのです 【朗読】 紫陽花とカタツム […]